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コラム
◆オーパーツの真実

 オーパーツとは、それらが発見された場所と時代がまったくそぐわないオブジェクトのことを指します。
 【out-of-place-artifacts = OOPARTS(場違いな工芸品)】と呼ばれるこのオブジェクトが存在する理由は、現世では未だ解明されていませんが、付喪神骨董協会においてはレアケースとして取り扱われる問題となっています。オーパーツの正体が場違いな工芸品であることに間違いはありません。それらは主に、時戒師団によってそぐわぬ時代に遺棄された、あるいは付喪神骨董協会の付喪神が派遣先の時代から事故等で帰還できなかった場合において、現地の人間からオーパーツと定義されます。

 付喪神骨董協会がオーパーツをレアケースの問題として取り扱っている理由は、それらが観測されない点にあります。
 付喪神骨董協会は、虚ろによる時の歪みを観測することはできますが、虚ろではないものの観測をすることはできないのです。オーパーツはいずれも神性を持たないモノ、あるいは虚ろではない付喪神であることから、その発見および回収が非常に難しいものとされています。

◆人間は付喪神を目視できるのか?

 付喪神骨董協会内の骨董師は皆、付喪神を目視することができますが、各時代で出会う人間の大半は付喪神がモノとしての姿にならない限り、目視することはできません。霊感が強い者、あるいは後に数奇な運命を辿る人間のみが、付喪神の気配や姿を察知することができます。(未来においては特殊な道具で付喪神などの存在を察知する人間もいるようです)

 付喪神骨董協会に所属する付喪神にとっては、任務の内容によって情報収集のために人間に目視された方が良い場合が存在します。その場合、観測地点に転移する前に付喪神は骨董師から【眼界ノ札】をもらいます。この札を身に着けている間、付喪神たちは現地の人間に目視され、会話をすることができるようになるのです。

◆付喪神の転生と消滅

 付喪神は年季が長いほどより強い神性を持ちますが、時代の流れによって神性にピークが訪れます。
​ これらはモノとしての耐久力や、その時の人々の心が密接に関わっています。神の力の源は人々の想いによるものです。想いの強さや数が多ければ、より力のある付喪神として存在することができますが、時代と共にそれらが弱まれば付喪神は最終的に消滅してしまいます。一度、消滅した付喪神は二度と戻りません。そうならないために、付喪神たちは自身の神性のピークを悟ると転生の儀を行います。

 転生の儀によって一時の間、付喪神は世界から姿を消し、天へと登ります。そして新たな人々に必要とされる時代を待って、再び降臨するのです。付喪神は転生時にいくらか前世の記憶を有しており、神性も引き継がれるため、同系統の付喪神となります。

林に立ち並ぶ鳥居
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